永代供養墓版

永代供養墓の種類・費用相場、一般墓との違い、樹木葬や納骨堂のメリット・デメリット

永代供養墓の種類と費用、一般のお墓との違い、樹木葬・納骨堂それぞれの概要とメリット・デメリットを解説します。

  1. 永代供養墓とは
  2. 永代供養墓・樹木葬・納骨堂の費用
  3. 一般墓と永代供養墓・樹木葬・納骨堂の違い
  4. 樹木葬のメリット・デメリット
  5. 納骨堂のメリット・デメリット
  6. 《豆知識》永代供養墓の歴史
  7. 多くの方に選ばれている永代供養墓

永代供養墓とは

一般的には以下の3条件を満たしたお墓が「永代供養墓」と呼ばれています。

  1. 承継者(後継ぎ)の有無に関係なく申込みができる
  2. 生前に申込みができる
  3. 永続的に管理と祭祀(供養)が受けられる

単身者や子供のいない夫婦はもちろん、子供や家族がいる場合でも「娘が嫁いだ後は、お墓のことで面倒をかけたくない」「子供が遠方にいるので、守っていく必要のないお墓がいい」と考える方も少なくありません。永代供養墓を必要とする人は、それぞれの事情、価値観やライフスタイルによって、さまざまな理由から永代供養墓を選択しています。

永代供養墓の種類

永代供養墓と一口に言っても、その種類や形態はさまざまです。最も一般的な永代供養墓は、地下あるいは半地下に骨壺を安置するための納骨室(カロート)を造り、それを台座として地上に参拝用のモニュメント(像・塔・碑など)を建立したものです。

寺院では、釈迦像や観音像などの仏像、多宝塔や五輪塔などの仏塔といった宗教的なシンボルを奉安したものがよく見受けられますが、民営霊園では、モニュメントとして宗教色のない塔や碑を建立することが多いです。

永代供養墓には、お堂の形を模した「納骨堂」、塔の形をした「納骨塔」、古墳や塚をイメージさせる「納骨陵」などがあります。屋内にある納骨室が仏壇形式あるいはロッカー形式になっている大規模な納骨堂は「霊廟(納骨廟)」とも呼ばれます。また、樹木や草花で装飾したものを墓標とする「樹木葬」も永代供養墓の一形態として人気を集めています。

公営霊園では、「供養」という宗教的な意味合いを含む言葉は使われないため、永代供養墓ではなく「合葬墓」(合葬式墓所、合葬式納骨施設)という名称が用いられています。合葬墓のほかにも、独立した石塔を建てる「個別墓」や、石碑や石塔を一つの区画に並べた「集合墓」といったものもあります。

永代供養墓のメリット

永代供養墓のデメリット

永代供養墓・樹木葬・納骨堂の費用

永代供養墓を利用する際にかかる費用としては、永代供養墓の墓所使用料(永代使用料)のほか、永代に渡って供養を行うことに対する費用(永代供養料)、納骨時の法要にかかるお布施などの費用、墓誌に戒名や納骨者名などを彫刻する際にかかる費用などがあります。

姉妹サイト「いいお墓」で2024年1月に実施した「【第15回】お墓の消費者全国実態調査」によれば、全国での平均購入価格は、樹木葬63.7万円、納骨堂80.3万円となっています。ただし、実際には霊園によってかかる費用が大きく異なる場合が多いのと、仮に同じ永代供養墓・樹木葬・納骨堂を利用する場合でも、遺骨の保管方法や個別に保管される期間などの条件によって費用は変わってきます。

一般墓と永代供養墓・樹木葬・納骨堂の違い

一般のお墓と永代供養墓の大きな違いは、一般のお墓の供養は家族や近親者が行うのに対して、永代供養墓の場合はお墓の持ち主に代わって、寺院や霊園の管理者が永代に渡って供養をしてくれるという点です。つまり、永代供養墓とはある特定のお墓を指すのではなく、「永代に渡って供養をする」というサービスが付いたお墓のことであるといえます。

遺骨の保管方法も、納骨の際に初めから合祀(骨壺から取り出して、ほかの遺骨と一緒に埋葬)するものや、一定期間は個別に保管し、その期間の終了後に合祀するというものなどさまざまです。

樹木葬とは

樹木葬とは、墓石を建立する代わりに、樹木や花を植えて墓標とするお墓です。埋葬する遺骨ごとに樹木を植える場合や、既に植えられている樹木をシンボルとして、その周辺に埋葬する場合などがあります。墓標として使用される樹木は、植樹する地域で生育でき、生態系に影響を及ぼさないなどの配慮がなされ、サクラやツツジなど花が咲くもののほか、紅葉の美しいカエデ類、クスノキなどの常緑樹が選ばれることが多いです。

樹木葬の形態は、「里山型」と「シンボルツリー型」に大別できます。「里山型」は、墓石の代わりに樹木を植える形態です。広い墓域を必要とするため、寺院所有の里山などを活用することが多いようです。「シンボルツリー型」は、シンボルツリーなど目印となる樹木の下や周囲に埋葬する形態です。多くの樹木を植樹しなくてよいため、広い墓域スペースを確保しづらい都市部などで多く展開されています。

埋葬方法としては、決められた区画内に直接あるいは布に包んで埋める方法や、骨壺に遺骨を入れたまま埋葬できる方法などがあります。また、供養に関しては、個々人で参拝できるところと、管理者が合同で法要を行う場合があります。合同法要が行われる場合は、経営主体である寺院の宗旨宗派に従って行われることが多いようです。

樹木葬のメリット

樹木葬のデメリット

納骨堂とは

お墓に関する法律「墓地、埋葬等に関する法律」(墓埋法)によると、納骨堂とは「他人の委託を受けて焼骨を収蔵するために、納骨堂として都道府県の許可を受けた施設」と定義されています。遺骨を安置しておくことができる施設のことを納骨堂というわけです。お寺の建物の中に設けられていたり、納骨専用の屋内型施設などの形態があります。

納骨堂は墓地に遺骨を埋葬するまでの間、一時的に遺骨を預けるという施設であったため、預かり期間が決められている場合が多かったようです。しかし、その後、一時的な遺骨の整理先としてではなく、更新可能の期間延長ができる施設も増え、恒久的に遺骨を祭祀する役割を担うことになってきました。

納骨堂の形態は、棚に遺骨を安置するシンプルな「棚式」のほか、骨壺を個々に納めるために区分けされたスペースに扉が付いている「ロッカー式」、屋外墓石を模したものを屋内に取り入れた「墓石形式」、位牌を飾り、供え物を捧げる上壇と骨壺を収蔵する下壇に分かれる「仏壇型」など種類はさまざまです。最近の傾向として、コンピュータ制御で自動的に骨壺が運ばれてくる「自動搬送式」の納骨堂なども評判になっています。また、納骨できる遺骨の数に合わせて、一人用、二人用、家族用などがあるほか、他の方の遺骨と合祀される納骨堂もあります。

納骨堂は屋内にあるため、施設の管理者が掃除など維持管理はしてくれますが、他の方々と場所を共有しているため、お花やお供え物などに関しては、それぞれの施設の規則を順守しなければなりません。最近では、セキュリティ面を強化したカード認証式の納骨堂もあります。

納骨堂は通常のお墓と同様に、管理費を払い続ける限り永代に渡り使用できるのが特徴です。ただし、33回忌など一定期間安置した後に合祀する場合も多く、預かり期間や形態、管理方法や供養方法は施設によって異なるので、購入前の検討時にしっかりと確認することをおすすめします。

納骨堂のメリット

納骨堂のデメリット

《豆知識》永代供養墓の歴史

永代供養墓の始まりは、比叡山延暦寺大霊園「久遠墓地」(1985年・滋賀県)、妙光寺「安穏廟」(1989年・新潟県)、平和霊苑「もやいの碑」(1990年・東京都)だと言われています。当時はマスコミなどにも取り上げられ、永代供養墓の存在は徐々に広まっていきましたが、本格的に浸透し始めたのは2000年以降のことでした。

1999年に「墓地、埋葬等に関する法律」(墓埋法)の施行規則が部分改正され、無縁墓の改葬が格段に簡略化されたことなどが永代供養墓の浸透に拍車をかけたといえます。公営霊園においても「合葬式墓所」という形で永代供養墓と同様のものが各地に開設されていきました。

一方、納骨堂というものは古くからありました。納骨堂は、お墓を建てる前に一時的に、あるいは長期に渡って遺骨を保管する場所として使われてきました。また、昔は行き倒れの人や身元の分からない人、あるいは親戚縁者などの身寄りのない人の遺骨を収める場所としても「納骨堂」の役目があり、そうした遺骨を納める「無縁塔」というものもありました。

永代供養墓には「管理と祭祀が約束されている」という定義がありますが、納骨堂の場合には、「祭祀」の付随はありません。また「祭祀」すなわち供養を受けられるということは、無縁とはならないことを意味するといえるので、外観はよく似ていて区別がつかないとしても、そうした意味で、永代供養墓は納骨堂とも無縁塔とも異なる歴史を持っているといえます。

多くの方に選ばれている永代供養墓

従来のお墓は、「家」を単位として、代々受け継がれることを前提にしていました。しかし現代では、少子化や核家族化が進み、また居住地も同じ場所に留まる割合が減るなど、代々お墓を継承していくことが難しくなってきています。

永代供養墓は、このようなお墓の問題を解消する新しいお墓の形として広まっています。その形態から「樹木葬」や「納骨堂」と呼ばれることもあれば、遺骨の納め方で「合葬墓」と呼ばれたり、申込者の単位から「個人墓」や「夫婦墓」と呼ばれる場合もあります。ニーズに合わせて形はさまざまですが、「管理と祭祀が約束されている」特徴を持ったお墓として、永代供養墓は多くの方に選ばれています。

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